オペレーターFAQの検索性を向上させたことで、検索時間が半減。3つの便利機能で管理工数も削減し、カスタマーセンターの応対品質向上を目指す。

万田発酵株式会社
万田発酵株式会社
お客様満足室:櫻井氏
プラン:オペレーター向けFAQ
シリーズ累計出荷数4,800万個を誇る「万田酵素」をはじめとする各種健康食品、独自の発酵技術を活かしたスキンケア商品、農業資材、水産・畜産資材などを展開する万田発酵株式会社。販売ルートは通信販売がメインとなり、カスタマーセンター(CS)を擁するお客様満足室は通販事業を様々な面からサポートしている。CSの顧客対応時、オペレーターが使用するFAQツールにアルファスコープを採用いただいた経緯や導入後の成果などを、同相談室係長・櫻井氏にうかがった。

従来のシステムでは検索機能が不十分で、情報共有にも手間がかかっていた。
アルファスコープを活用して古いナレッジを即時に正しいナレッジへ更新し、情報連携の最適化による「顧客対応の品質向上」を目指した。
− FAQツールを導入するに至った背景や抱えていた課題感などを教えてください。
もともと自社で用意したFAQシステムがあったのですが、その使い勝手がよくありませんでした。例えば、最新の情報や必要としている情報がなかなかヒットしないなど検索性が悪く、オペレーターによって見ている情報にズレが出てきてしまい、結果的にお客様に誤った情報を案内してしまうということもありました。
また、アクセス権限がきわめて限定的で、別拠点のセンターからはアクセスできないのも不便でした。少しでも情報が更新されると、情報共有として電話やメールで知らせる必要があるため、その作業に時間を要していたのです。さらにマニュアルを紙で管理しているオペレーターもいて、社内で統一性がないことも課題の一つでした。
これらの課題感を解決すること=「顧客対応の品質向上」「ナレッジの共有と蓄積」「外部拠点との情報連携手段の改善」を目指して、新たなFAQツールの導入を検討しました。

− 数あるツールの中からアルファスコープを選んだ決め手はどのような点でしたか?
ツールに求めた必須条件は、第一に周知したいメンバーに限った情報共有ができるよう閲覧権限を設定できること。このためのセキュリティの高さも重要なポイントでした。さらに、ナレッジ整備の効率化・高度化のために、承認制ワークフロー機能、FAQの評価機能、画像添付機能も備わっているとより望ましいと考えました。
ツールを検討する際には数社をトライアルで使用しながら比較検討していきましたが、上記の要望をすべてクリアしているのはアルファスコープのみ。FAQツール導入のために発足した社内プロジェクトのメンバーにとっても、「アルファスコープは管理側にとって必要な機能が備わっているだけではなく、利用する側の検索性も高く使いやすい」と好印象でした。また、デザイン面もシステム感が強すぎないところが気に入りました。

初期構築から2ヶ月でオペレーターFAQのリリースが完了。
顧客対応の目的だけでなく、新人研修にもFAQを活用している。
− 活用シーンについて教えてください。
基本的には電話応対時のツールとして使っています。
ただ、実際に運用を始めたところ、そういった実践現場だけでなく、オペレーターが対応の予習・復習をする=自己研鑽の場面にも役に立つことがわかりました。電話応対の隙間時間に、FAQのマニュアルを見ながら対応について学べるのでとても便利です。現在は新人研修でも、FAQシステムの操作を習得すること、応対に「慣れる」ことを目的に、アルファスコープを使ってロールプレイング形式の研修を実施しています。

− 導入して実際に運用を始めるまでの流れを教えてください。
導入から運用まで、2ヶ月ほどで準備をし、リリースすることができました。運用に至るまでに苦労したのが、蓄積してきた従来のナレッジをどこまで移行させるのか?といった社内での情報精査作業。なかには古い情報もたくさんありました。取捨選択だけでなく、いかにわかりやすい形で移行させられるかという点も、プロジェクトメンバーで積極的に議論しました。
− 現在のコンテンツ数など運用状況を簡単に教えてください。
コンテンツ数は現時点(2024年2月時点)でおよそ2,000件を公開しています。参照数(PV)は月間1,000〜1,500件ほど。全体的なメンテナンスは年に1回ですが、ナレッジの更新は少なくとも月に1回は行っています。作って終わりではなく、都度修正を施しながら運用している状況です。
コンテンツ内容は大まかに、会社に関する情報、万田酵素など各商品に関する情報、キャンペーン情報などを中心に、営業や当社のサービス施設(広島県因島にあるHAKKOパーク)への問い合わせに対応した情報なども一部用意。また、EC関連の問い合わせを電話で受けるケースもあるのでEC関連のFAQや、受注センターと共有で使用するマニュアルとしてのFAQも掲載しています。

ワードクラウドは、検索慣れしていないオペレーターにも分かりやすいと好評。
全体最適と個々人のカスタマイズ性の両立で、使いやすさを追求。
− オペレーターにとって使いやすくなるように、コンテンツ作成で工夫されていることはありますか?
なるべく1画面の中で知りたい情報が網羅されるように、詳細資料のあるコンテンツにはPDFを添付するといった工夫をしています。特にマニュアル関係は自社センターだけでなく全拠点で必要としている情報なので、多くの人が閲覧することを考えて整備をしています。そういった中で、PDFなど添付文書内の検索もできる機能は、アルファスコープの非常に便利な部分だと思います。
単純に文字入力が苦手という話を聞き、その視点からキーボード入力を必要とせず、クリック操作で検索や絞り込みができる「ワードクラウド」も用意しています。ワードクラウドはその見やすさ・分かりやすさから顧客に公開するFAQで利用されることが多い印象がありますが、オペレーターが利用する場合にもメリットがあると思っています。キーワードを入れて検索する必要がないので、必要な検索ワードがうまく思いつかない、文字入力そのものに慣れていないという人にも、役に立っています。

− 他に、オペレーター側でよく使っている機能などはありますか?
オペレーターごとにブックマークのような感覚で自分が見返したいコンテンツ・頻繁に使うコンテンツなどをまとめておくことができる「お気に入り」機能が活用されています。
他にも、コンテンツに自分だけのメモを残すことができる「メモ」の機能も便利だと聞きます。紙でFAQを確認していた時に、付箋に書いていたようなちょっとしたメモを残しておけるということで、活用しています。

管理側も全体最適を心がけていますが、どうしても限界があるので、このように個人ごとでカスタマイズができる点はとても便利なのではないでしょうか。
「お知らせ機能」で情報共有を効率化し、「承認フロー」で情報更新の高速化を実現。「コンテンツ評価機能」でさらなるブラッシュアップをはかる。
− 管理側として、アルファスコープの運用で重宝している機能は何ですか?
重宝している機能の1つ目は「お知らせ」機能です。当社は頻繁にマニュアルやキャンペーン情報の更新が発生するのですが、以前は一部分を更新しただけでも、複数ある拠点それぞれに電話やメールで周知しなければなりませんでした。「お知らせ」機能を使えば、指定したメンバーに一斉に情報を共有でき、既読・未読を確認できるので大変便利で、ツール導入の目的の一つであった情報共有の効率化が達成できました。

2つ目として、「承認機能」も運用するうえで非常に役に立っています。これは、多階層で承認ワークフローを構築することができ、承認依頼が自動でメール通知されるほか、承認が完了したら自動でFAQ上に反映される、という機能。今まではFAQに変更や修正が発生した場合、これまでは逐一メールやエクセルで共有して確認を取り、自部署に戻ってきた回答をまた別部署へ確認して…など煩雑なやり取りが必要でしたが、「承認機能」を使うことでそのような確認のフローが驚くほどスムーズになったと実感しています。それは、単純に更新までにかかる時間が短縮されたというメリットもありますが、各所から承認を得た後のシステムへの反映作業自体もスムーズになり、工数が大幅に削減されました。

3つ目に「コンテンツ評価」機能も重宝しています。ボタン式の評価に加えて、フリーコメント欄を設けていることで「こんなルールも記載してほしい」「マニュアルのこの部分がわかりにくい」など、オペレーターが使用している中で気づいたことを書いて知らせてくれるので、課題点の掘り出しと、それに対応したブラッシュアップに役に立っています。
管理側の工数が大幅に削減。検索性が向上したことでオペレーターは半分の時間で検索結果にたどり着くように。
− アルファスコープの運用によってどのような成果、手応えを感じていますか?
当初の目的であった課題に関しては総じて解消されつつあります。情報が一元化され、オペレーターの検索そのものや、管理側の作業に費やす時間はかなり短縮できています。検索に関しては肌感覚ではありますが以前の半分くらいの時間にまで縮められたのではないでしょうか。また、先述したように、当初の目的からは想定外でしたが、人財育成面でもツールを活用することで成果につながってきていると感じています。

− 今後、アルファスコープを活用してどのような展開をしていきたいですか?
今後はナレッジのブラッシュアップに一層取り組んでいきたいです。例えば、検索されたにも関わらず1件もヒットしなかった「0件ヒットワード」は、やみくもにコンテンツを増やすのではなく、適切なコンテンツを拡充するために見ていかなければならない事項だと思っています。
そのほか、人財育成にも今後もっとアルファスコープを活かしていきたいと考えています。新入社員向けの資料としてはまだ充実できていない面が大きいからです。「新入社員研修」というカテゴリを増やして、各拠点で活用していけるように取り組んでいきたいです。
今はツールの展開自体が限られた拠点でしかできていない為、今後は他委託先業者等でも使用できるシステムになることを目指して、今後も積極的に活用していきたいと思います。